2019年4月13日土曜日

なぜボーイング737MAXが落ちたのか その3 事故の原因(2/2)

3.2.AOAセンサーの不具合で事故が発生したこと


  両方の墜落とも、AOAセンサーの不具合で事故が発生したとの報告になっています
  つまり、AOAセンサーが(不具合で)機首が過剰に上がっていると認識しMCASが
  機首を下げようとします。実際は機首は上がっていないので、機首は下がりすぎて
  しまいます。機首が下がってもAOAセンサーは(不具合で)機首は過剰に上がりすぎ
  続けていると認識し、MCASは引き続き機首を下げようとします。
  MCASの説明の時に書いたとおりMCASはパイロットの操作では解除できません。
  AOAセンサーの不具合と気づき、MCAS自体を停止しないと
  死へのダイブは止められません。
  ざんねんながら回避策は採られず、墜落してしまったというのがこれらの事故です。

  つまり正常時は
   0.機首が上がりすぎる 
           ⇒ 1.AOAセンサーが機首上がりすぎを検知
     ⇒ 2.AOAセンサーの結果からMCASが動作
     ⇒ 3.MCASが尾翼を調整して機首上がりを抑制
      ⇒ 4.機首が下がり安定航行する
        ⇒ 終了
  ですが、AOAセンサー故障時は
   0.AOAセンサーが故障で機首上がりを検知 
     ⇒ 1.AOAセンサーの結果からMCASが動作
     ⇒ 2.MCASが尾翼を調整して機首上がりを抑制
      ⇒ 3.機首が正常にも関わらず機首が下がる
        ⇒ AOAセンサーが故障しているので0に戻る
   により死のダイブをしてしまいます。

  さらにまずいのはパイロットが気づき機首を上げても
   0.AOAセンサーが故障で機首上がりを検知 
     ⇒ 1.AOAセンサーの結果からMCASが動作
     ⇒ 2.MCASが尾翼を調整して機首上がりを抑制
      ⇒ 3.機首が正常にも関わらず機首が下がる
       ⇒ 4.パイロットが気づき機首を上げようとする。
        ⇒ 5.少しは機首が回復する。
          ⇒ AOAセンサーが故障しているので0に戻る
   により死のダイブになる時期は延びるものの
   回避はできません。
   これが事故機のフライトレコーダーに残っていた記録に
   なります。

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